歯周病治療

歯を守るために最も大切なことは歯周病を予防すること

歯周病とは、歯肉炎や歯周炎などといった歯の周りの病気の総称です。歯と歯肉に近い部分についた歯垢(プラーク)の中にいる細菌が原因となって、歯肉や骨などの歯を支える組織に炎症を起こします。進行すると歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かして歯がグラグラし、最後には抜けてしまいます。歯周病は、歯を失う原因のトップでもある病気です。

歯周病は日本人の成人のうち、5人に4人がかかっていると言われます。しかも問題なのは、初期の歯周病はほとんど自覚症状がないため、気づかない間に悪化してしまうこと。出血などの症状が出始めたときには、かなり進行していることが少なくありません。

歯周病治療

●こんなことは思い当たりませんか?1つでもあれば歯周病の疑いがあります
・歯を磨くときやリンゴを食べたとき、歯肉から出血する
・歯がグラグラする
・歯肉がときどき腫れる
・歯肉がムズムズすることがある
・口の中がネバネバしてさっぱりしない
・歯と歯の間によく食べ物が挟まる
・硬いものが噛めない、噛むと痛い
・口臭がある
・冷たいものがしみる
・最近、歯が長くなってきたように見える
・歯並びが乱れてきた

生活習慣病と考え、予防とブラッシング方法に力を入れています

歯周病の原因は、まず歯垢(プラーク)の中の細菌です。このプラークは、正しいブラッシングにより取り除くことができます。つまり、毎日の正しい歯磨きを続けることで歯周病を予防できますし、軽度の歯周病であればブラッシングだけで治ります。当院では歯周病を生活習慣病と考え、正しいブラッシングを中心とした予防と治療をご提案しています。

お口の中の環境や、予防・治療効果を確かめる位相差顕微鏡システム位相差顕微鏡
お口の中には500種類以上の細菌が生息していると言われています。当院は、位相差顕微鏡を活用して細菌の種類や数などを把握し、歯周病の診断、治療計画に活用しています。治療の前後の状態を比較することもできるので、効果を確認し、次のプロセスに役立てることもできます。

歯周病の予防と治療に効果的【「つまようじ法」ブラッシング】つまようじ法
まずはブラッシングに何か問題がある場合、日常使用されている歯ブラシを持参していただき、その上で効果的なブラッシング方法をご指導させていただきます。しかしご賛同いただけた方には、初診の段階からV7による「つまようじ法」を治療の一環として導入させていただきます。

つまようじ法は、つまようじを使うように歯と歯の間を磨くブラッシング法で、歯ぐきをマッサージすることで、歯と歯の間の歯ぐきが強くなります。つまようじ法を行うと、当初歯ぐきから出血することがありますが、出血は通常1~2週間で止まります。これはマッサージ効果で歯ぐきが強くなるからです。

V7ブラシを使った快感ブラッシング V7ブラシ
初期段階の治療が終わってからも、メンテナンス時にV7ブラシによるつまようじ法みがきをさせていただいてます。術後、すっきりとして気持ちが良いので「快感ブラッシング」と呼ばれています。

歯石を徹底的に除去し、予防につなげます

進行した歯周病の場合は、局部麻酔を行い、歯ぐきの深い部分に沈着した歯石除去を行います。また、ぐらつきが残っているような場合は歯を一時的に固定します。症状が改善したあとは、正しいブラッシングとプロによるケアを継続して受けていただくことで、長期にわたって安定した状態を維持することを目指します。

歯石を除去する【スケーリング】スケーリング
歯に付着した歯垢(プラーク)が石灰化したものが歯石です。歯石になると自分で取り除くことはできませんので、歯科医師、歯科衛生士が歯石除去を行います。同時に、プラークの沈着を防ぐために歯の表面をなめらかにします。

痛みなく歯石を取り除く【P-MAX】 P-MAX
歯石を除去する際、当院では超音波装置の中でも痛みを感じることが少ないスプラッソンP-MAXを使用しています。できるだけストレスのない快適な処置を心がけています。その際、殺菌効果のあるオゾン水、あるいはPOIC水を用います。

歯周病をコントロールすることは身体の健康につながります歯周病をコントロール
生活習慣病ですから、そのままでは残念ながら再発することが多いのが歯周病です。一生涯、自分の歯で生活していくために、適切なホームケアと定期的なプロによるケアを受けてください。糖尿病など全身疾患とも関わりの深い歯周病をコントロールすることで、お口の健康だけでなく、全身の健康も守りましょう。

歯周病治療の流れ

歯周病治療の流れ歯周病治療の流れ歯周病治療の流れ

1. 歯ぐきの検査
・レントゲン検査:歯を支える骨の状態や、歯ぐきの奥の歯石をチェックします。
・染め出し検査:歯の表面についているプラーク(細菌)を専用薬剤でチェックします。
・写真撮影:治療前の歯ぐきの状態や歯石の付着状況を撮影し、保管します。
・歯周ポケット検査:専用の器具を使って歯ぐきの溝(ポケット)の深さを測ります。
・位相差顕微鏡検査:歯周病菌の動態を観察します。

2. 歯石の除去
まず見える部分の歯石を除去します。この段階でご家庭でのブラッシング状況をチェックし、正しいブラッシング方法をアドバイスします。

3. 専用の器具を使って歯ぐきの溝(ポケット)の深さを測る

4. 細いスケーラーで歯ぐきの奥にある歯石やプラークを取り除く
特に深い部分に歯石がある場合には、麻酔を使用することがあります。歯石を除去する際に出血することがありますが、これは歯ぐきの腫れによるものです。

5. 再度、歯ぐきの溝の深さを測る
改善された歯ぐきをいつまでも守るため、定期的に歯石を取り、毎日のケアをていねいに行ってください。

あなたの歯ぐきは健康ですか?【歯周病の進行】

健康な歯肉歯周病の進行
歯肉が健康なとき、歯ぐきやその周辺は淡いピンク色で引き締まっています。歯は歯周組織(歯肉、歯根膜、セメント質、歯槽骨)によってしっかり保護されています。

歯肉炎歯周病の進行
歯肉が炎症を起こすと赤く腫れ、磨くと出血しやすく、触れると縮むことがあります。炎症は歯肉に限られ、仮性ポケットができています。

軽度歯周病歯周病の進行
歯肉の炎症が進んでくると発赤と腫れが著しくなり、磨くとかなり出血します。歯の支持組織にも炎症が進み、歯周ポケットが形成され、骨の吸収も始まります。

重度歯周病歯周病の進行
歯周病がさらに進むと、歯と歯肉を結びつけて支えているセメント質、歯根膜、歯槽骨が破壊され、歯はぐらつき始めます。膿が出て口臭もひどくなり、やがて歯が抜けてしまいます。